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Remote Power 2010 ProでWake On LAN

前回は、RTX1100でShrew Soft社の’Shrew Soft VPN Client’を試しました。

6回目の今回は、VPN接続を行うPCのネットワークアドレスとVPN接続先のネットワークアドレスが異なる場合のWOLを試します。
※2箇所の拠点間をVPN接続する”LAN間接続”が、このケースとなります。(ネットワークアドレスが異なる接続)
※ヤマハのVPNルーターでは、プライベートアドレスが衝突しているような既存のネットワーク間のVPN接続でも、Twice NAT機能やNAT設定を利用することで、通信を行うことが可能となるようです。

今回の試験では、ヤマハのVPNルーター(RTX1100)のIPsec機能を使用して、リモートアクセスVPNを行います。接続元のクライアントPCのプライベートアドレスは、VPN接続先のネットワークアドレスと異なるセグメントをあえて指定して、WOLの試験を行います。

アプリは、Software Factory社のRemote Power 2010 Professional Editionを試用してみます。
このソフトウェアは、シェアウェア(1,300円)ですが、インストール後、2週間の試用期間がありますので、気に入ったら購入するようにします。現在の最新バージョンは、’2.06′ (2012年4月16日 リリース)です。

Remote Power 2010 Professional Edition には、「httpを使用して、遠隔操作するPCの電源をONすることが出来る」という、優れた特徴があります。
通常、WOLで使用するマジックパケットは、ネットワークアドレスが異なると、相手先に届きませんので、電源ONすることができません。
Remote Power 2010 Pro は、ネットワークアドレスが異なる環境でWOLが行える、非常に有用なプログラムであると思います。

RemotePower2010 01 300x215 Remote Power 2010でWOL

 

Remote Power 2010 Profesional Editionの設定

Software Factory社のWebサイトから、’Remote Power 2010 Profesional Edition’と’Remote Power Configuration Advisor’をダウンロードしてインストールします。

Software Factory社のWebサイト Remote Power ダウンロード からダウンロードできます。

最初に、Remote Power 2010をインストールします。
インストールが完了したら、Remote Power 2010を実行し、左側の[ホストを作成]アイコンをクリックします。

RemotePower2010 012 300x149 Remote Power 2010でWOL

ホストのプロパティが表示されますので、基本情報と、ホスト情報などを入力します。
※ブロードキャストアドレスは、電源をONするPCが所属するネットワークアドレス宛に変更します。
  初期値[255.255.255.255]を使用すると、
  ‘Magic Packet Sender のエントリが見つかりません。 (0xA0042713)’というエラーが発生し、
   正しくhttpパケットの送信ができませんでした。

情報を入力し終わったら、接続モジュールの設定ボタンをクリックし、’Remote Power Agent‘を選択します。
※Windows WMIは、ネットワークアドレスが異なるVPN接続環境では、正しく動作しませんでした。
※Remote Power Agentを選択時は、遠隔操作を行うPCにRemote Power Agentをインストールしておきます。

RemotePower2010 022 287x300 Remote Power 2010でWOL

ここでは、Remote Power Agent の設定を入力します。
キーコードは遠隔操作するPCにRemote Power Agent をインストールしたときに設定した値と合わせます。

RemotePower2010 031 292x300 Remote Power 2010でWOL

基本情報の名前で指定したホストが追加されたことを確認します。

RemotePower2010 07 300x177 Remote Power 2010でWOL

タスクバーのツール – 設定変更を選択し、[Wake On LAN] のタグを開きます。
初期値は、’Magic Packet over UDP/IP Broadcast’が選択されていますので、編集ボタンをクリックします。

RemotePower2010 04 291x300 Remote Power 2010でWOL

ここのブロードキャストアドレスは、ホストのブロードキャストアドレスと同じ値を設定します。ブロードキャストアドレスが一致している場合、指定した Magic Packet Sender を使用して電源オンを行うことができます。

Magic Packet Sender の設定で’Magic Packet Web Forwarder‘を選択し、設定ボタンをクリックします。
この変更で、HTTPのパケットを使用して、マジックパケットが送信されるようになります。

RemotePower2010 051 300x236 Remote Power 2010でWOL

ここでは、マジックパケットの転送用のURLを記述します。ここで指定した転送先に、cgiプログラムを配置します。
また、サーバ上のcgiプログラム格納先は、basic認証を行うようにしておき、認証用のユーザ名とパスワードを、ここで設定します。

RemotePower2010 062 300x247 Remote Power 2010でWOL

 

電源を遠隔操作するPCの設定確認

次に、遠隔操作するPC上で’Remote Power Configuration Advisor’を実行します。
このソフトウェアを実行することで、Remote Power 2010を正しく動作させることが可能となります。

遠隔操作するコンピューター上で、RPCfgAdvisor.exe を実行します。

RemotePowerConfigurationAdvisor 012 300x240 Remote Power 2010でWOL

スキャンが完了すると、結果が表示されるので、×の項目の対策方法をクリックします。
ファイアウォールの設定(リモート管理)が × なので、対策方法をクリックします。対策が完了したら、
同様に、Terminal Server のリモートRPCの許可を対策します。

RemotePowerConfigurationAdvisor 02 300x240 Remote Power 2010でWOL

「※コマンドで自動設定するには、ここをクリックしてください。」のここをクリックします。

RemotePowerConfigurationAdvisor 03 300x240 Remote Power 2010でWOL

「※コマンドで自動設定するには、ここをクリックしてください。」のここをクリックします。

RemotePowerConfigurationAdvisor 04 300x240 Remote Power 2010でWOL

問題箇所の対策がすべて完了したら、スキャンをやり直し、すべての結果が〇であることを確認します。

RemotePowerConfigurationAdvisor 05 300x240 Remote Power 2010でWOL

 

HTTPサーバにCGIを設置

Remote Power 2010 Profesional Editionは、httpでマジックパケットを送信可能にするプログラムが用意されています。このCGIプログラムをサーバに設置すると、サーバがWOLの中継器(リピータ)となります。

ダウンロードファイルを解凍すると、MagicPacketWebForwarderフォルダの中に、’wakeonlan.cgi‘が格納されています。このファイルをサーバにアップロードして、実行権限を付与、cgiの実行を許可するようにします。

RemotePower2010 081 300x228 Remote Power 2010でWOL

次に、wakeonlan.cgiの実行は、basic認証を行うようにします。すでに、Remote Power 2010側では、認証を行うように設定済みです。認証用のユーザ名とパスワードは、設定済みの値を使用します。

WakeOnLAN 01 300x90 Remote Power 2010でWOL

httpによるWOL動作時のパケットを示します。
遠隔操作で電源をONすると、HTTPのパケットとして、マジックパケットがPOSTされていることが判ります。

WakeOnLAN 022 300x267 Remote Power 2010でWOL

ターゲットPC上で、マジックパケットをキャプチャすると、ブロードキャスト宛てのパケットではないことが判ります。

WakeOnLAN 03 300x195 Remote Power 2010でWOL

 

HTTPサーバでARP対応

httpを使用したWOLでは、マジックパケットは、ブロードキャスト宛として送信されずに、サーバからターゲットPC宛に、パケットが送信されています。
これは、仕様によるもので、「インターネット環境に設置したWebサーバを使用することを想定しており、ローカル環境に設置したWebサーバでの使用は、想定していない」とのことでした。(サポートよりの回答)

従って、電源をONさせたいPCの、IPアドレスとMACアドレスを永久的エントリとしてARPテーブルに登録しておく必要があります。

一定時間が経過すると、電源をOFFしたいPCのARPテーブルは、削除されてしまいます。すると、ターゲットPCの電源を入れようとしても、MACアドレスが判らない状態となり、電源をONさせることが出来なくなってしまいます。

この状態を避けるために、永久的エントリとして登録します。

[root@ms01 ~]# arp -s 192.168.0.102 00:30:1b:aa:aa:aa
[root@ms01 ~]# arp -s 192.168.0.105 e0:cb:4e:bb:bb:bb
[root@ms01 ~]# arp
Address                  HWtype  HWaddress           Flags Mask            Iface
192.168.0.1              ether   00:A0:DE:xx:xx:xx   C                     eth0
192.168.0.234            ether   00:0E:7B:xx:xx:xx   C                     eth0
192.168.0.105            ether   E0:CB:4E:bb:bb:bb   CM                    eth0
192.168.0.102            ether   00:30:1B:aa:aa:aa   CM                    eth0

※サーバを再起動させると、永久的エントリは消失してしまいますので、/etc/rc.d/rc.local に追記しておきます。

 

※この件を、Software Factory社のサポートへ問合わせましたところ、「LAN内に設置したWebサーバ経由で、ブロードキャストアドレス宛にマジックパケットを送信する」ことが選択出来るように、プログラムの仮改修で対応していただけました。次回のアップデートで修正予定とのことで、素早い対応に感謝です。(2012年8月20日 Ver2.07がリリースされ、正式にアップデートされました。)

この修正版では、サーバ上で、永久的ARPエントリを追加する必要が無くなり、運用が楽になります。

RemotePower2010 10 300x269 Remote Power 2010でWOL

 

Remote Power 2010で電源ON/OFF

一通り設定が完了したので、Remote Power 2010 を使用して、ターゲットPCの電源をON/OFFします。

  • 最初に、VPN接続を行います。この操作で、ターゲットPCと同一のネットワークへ接続されます。
  • 電源オンをクリックすると、ターゲットPCの電源が「キュイ~ン」と鳴って、電源が入ります。
  • OSが起動するまで、待ちます。(起動したかどうかは、pingコマンドで確認できます)
  • OSが起動したころを見計らって、リモートデスクトップ接続を行います。
  • 外出先から、自宅(または職場)のPCを遠隔操作します。
  • 遠隔操作が終了したら、リモートデスクトップ接続を終了(切断)します。
  • 電源オフをクリックすると、Windowsが終了し、自動的にシャットダウンします。
  • 遠隔操作が終了したら、VPN接続を遮断します。

上記の赤字部分でRemote Power 2010を使用します。
VPN接続、ローカル接続共に、このソフトウェアを使用して、遠隔操作で電源をON/OFFすることが可能です。

RemotePower2010 09 300x177 Remote Power 2010でWOL

 

以上で、「Remote Power 2010 ProでWake On LAN」を終了します。

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